Caliph8

(from Manila)

Caliph8はビートメーカー、サウンドマニピュレーター、DJ/サウンドセレクター、ヴァイナルアクティビスト、グラフィティアーティスト、MCなどの多様な才能を持つ、フィリピンを代表するアーティスト。 彼は、複雑に展開されたポリリズムのビート、ワンノートのサンプル、カットアップされたオーディオ、といった、無数の音の「かけら」を素材として、結合、加算、ハイブリダイゼーション等の様々な手法を使いながら音楽の新しい構造を作り出す。 音楽という大きな枠組みの中で行われるその探求は、サンプリングミュージシャンと、音そのものを加工する音楽家との間に、音の連続性という架け橋をかけていく。 20年以上もの間、フィリピン国内外のアンダーグランドシーンでサウンドアーティスト、ヴァイナル活動家として活動を続けており、ヒップホップ、ブレークビーツ、ジャズ、ロック、レアグルーヴ、サウンドアート、フォーク、エレクトロ、アコースティック、エキゾチカ等の多様で幅広いバックグラウンドから様々な音楽的要素をサンプリングし、一つ一つのノートに分けて再構築、更には自らシンセサイザーを用いて音を付け加えたり、あるいは他のミュージシャンとのコラボレーションによってまた別の要素を取り入れたりと、Caliph8独特の新たな世界観を創り出している。 活動開始当初よりその独創的なパフォーマンスでマニラのアンダーグラウンドミュージックシーンを牽引し続け、2003年から現在に至るまで、Subflexというイベントを主催・運営し、マニラのトリップホップ、エクスペリメンタル、ノイズ等のコアなミュージックシーンを創り上げてきた。 2015年には静岡のレーベルO-RICHからアルバムCD「Realized Patterns & Splintered Sequences」を、更にはアジアの重要レーベルである上ののSVBKVLT Derelictからカセットテープ「Features of the Domain」、オーストラリアはブリズベンのレーベル「Dub Temple Records」からアナログ12インチ「Stillborn Etudes」をリリースした。 また過去8年間にわたり、マニラで行われているサイレントフィルムへの音楽の制作やフィリピン政府主催の芸術文化プロジェクトにも参加するなど、アートのジャンルを超えた活動を行っている。